• Sextette
• Golden Touch
• Cable Car
• Trictrotism
• Edge Of Love
• Oscar Rides Again
• The Continental
• For All We Know
• Yesterdays
• Imagination
• Time Out
• Softly As In A Morning Sunrise
• On The Alamo
• Honeysuckle Rose

1-6 : Julis Watkins(frh),Charlie Rouse(ts),Duke Jordan(p),Oscar Pettiford(b),Ron Jefferson(ds)
7-14 : Ronnie Odrich(cl),Don Burns(accordion),Joe Cinderella(g),Vinnie Burke(b)

　ベーシストのOscar PettifordとVinnie Burkeの二つのセッションをカップリングしたアルバム。二人の共演はありません。１〜６曲めがOscar Pettifordのバンド、７〜14曲めがVinnie Burkeのバンドです。

　Oscar Pettifordのバンドはフリューゲルホルンとテナーのニ管編成。

　１曲目（Sextette)はGerry Mulliganの曲。スィング時代に作られたのでしょうか、かなり古めかしさを感じる曲です。先発ソロをとるCharlie RouseはMonkバンドそのままの歯切れ良いソロで初っ端から快調です。

　２曲目（Golden Touch)はQuincy Jonesの曲。ベースソロをフューチュアしていますが、堅実なBurkeとは違う、聞かせどころを心得たソロです。

　３曲目（Cable Car)はバップ時代によくあったリフ曲。ソロはJulius Watkinsのフリューゲルホルンからですが、かなりくぐもった音色が特徴ですね。この音色がこのバンド全体をイメージづけています。

　４曲目（Trictrotism)はまたPettifordのソロをフューチュア。アレンジもかなり凝っています。

　５曲目（Edge Of Love)は時代がかかった古い映画音楽のようなアレンジ。エコーの効いたフレンチホルンが余計その感じを強くします。スタンダードなんでしょう。

　６曲目（Oscar Rides Again)はバップ調のリフを持ったブルース。ソロごとにセカンドリフが入るのですが、ちょっとアレンジ過多ですね。

　ここからVinnie Burkeのセッション。ドラム抜きでクラリネットとギター、そしてアコーディオンがフロントという珍編成です。

　７曲目（The Continental)はスタンダードでしょうか。一曲めからベースソロを聴かせますが、しっかりした腕を感じさせる堅実なソロです。アコーディオンが入るととたんにパリの街角のようになりますね。

　８曲目（For All We Know)は音色が編成のせいで凝って聴こえますが、オーソドックスなバラード演奏。いい曲です。

　９曲目（Yesterdays)もスタンダード。かなりテンポの遅いアレンジです。ハーモニーに聞き入ってしまいます。

　10曲目（Imagination)も古いスタンダード。ソロは無く、テーマを淡々と演奏するのみです。

　11曲目（Time Out)はBurkeのオリジナル。なんてことの無い循環リフ曲ですが、味わい深い演奏です。

　12曲目（Softly As In A Morning Sunrise)はアルバム白眉の演奏。手拍子と少しギターのオブリガードが入る以外は、完全なBurkeのソロです。ごく短い演奏ですが、正確な音程、そして何よりアドリブソロの構成が見事。得意曲だったのでしょうか。あまり有名ではないBurkeですが、この演奏で名手であることがよくわかります。

　13曲目（On The Alamo)は伸びやかなクラリネットの音色が映える曲です。聴きとおすと、ちょっと全般にアレンジがどの曲も似ているのが気になるところ。

　ラストを飾る14曲目（Honeysuckle Rose)は急速調。スィングスタイルのクラリネット、そして呼吸するようなアコーディオンが快調です。

　ごく短いスタンダード演奏の拾遺集というところです。アレンジ、構成はやはりPettifordに一日の長がありますね。ソロは互角と診ましたが、どうでしょうか。ところで、BurkeバンドのギターJoe Cinderellaは誰かの変名でしょうか。