Dexter Gordonの数少ない50年代のアルバム。ブルース、有名オリジナル、スタンダードと平凡な構成ですが、それだけに飽きない味わいを持っているアルバムだと思います。
1曲目(Daddy Plays The Horn)はGordonのオリジナル。ブルースです。得意のミディアムで朗々と歌い上げます。タンギングの目立つ独特の乗りが癖になります。ここではあまりビバップ風ではありませんね。鼻歌のような、魅力的なフレーズが次々と飛び出します。70年代にSteeple Chaseで共演をするKenny Drewもここではリラックスしつつ、華のあるメロディです。
2曲目(Confirmation)は言わずと知れたCharlie Parkerのオリジナル。まるでジャム・セッションのようですね。GordonのスタイルはParkerよりもやや古い感じがして、そこが魅力になっています。得意の引用フレーズも出てきてご機嫌です。私は学生時代にこのアドリブをコピーしました。続くKenny Drewも教科書のような端正な演奏。最後のドラムとの4バースも、Gordon独特のユーモア、ひらめきが感じられて気持ちいいですね。
3曲目(Darn That Dream)はスタンダード。淡々とテーマを歌うGordonは渋さ満点です。それにしてもGordonはあくまでもストレートですね。王道です。
タイトルどおりの4曲目(Number Four)はGordonのオリジナル。Parkerの「Steeple Chase」や「My Little Suede Shoes」とよく似ています。軽快にスゥイングしますね。流れに身を任せるのが正しい聴き方でしょう。
5曲目(Autumn In New York)は名スタンダードの名演奏です。このアルバムの白眉でしょう。適度な緊張感をたたえつつ絶妙なフェイクを交えたテーマの美しいこと。続くKenny Drewのピアノもこの曲の魅力を十分に生かしつつ、新しいテイストを加えています。
6曲目(You Can Depend On Me)もふるい小唄。ミディアム〜ファーストで演奏されることが多いと思いますが、ここでもアップテンポでの演奏。ここではややビバップよりのメロディの歌い方が聴けます。ハッピーな雰囲気で、最高にご機嫌にスゥイングします。
それにしてもジャケットが秀逸です。時代を感じますが、そこがまたいいですね。
|