Art BlakeyのJazz Messengersによる1978年Californiaでのライヴ。Messengersは80年代にWynton Marsalisが加入して再ブレイクしますが、その少し前の演奏です。音楽的にはBobby WatsonとJames Williamsが引っ張っているようです。
1曲目(Art Blakey Intro)はBlakeyのドラム・ソロ。「いつもとちょっと違う感じ」です(笑)。
2曲目(Pamela)は華やかな曲調が魅力的なBobby Watsonのオリジナル。陽気な曲にBobby Watsonのアドリブはとても映えますね。アレンジがなかなか良くできており、AABAのBからAに移るところなどはなかなか。みなさん結構ですが、David Schnitterは手癖を連発し、今一つ。
3曲目(Unlimited)はJames Williamsのオリジナル。勢いのあるBobby Watsonのアドリブが魅力的です。David SchnitterとValery Ponomarevは奮闘し、盛り上げますが、もう一つインパクトには欠けます。
アルバムタイトル曲である4曲目(In This Korner)はDonald ByrdやDuke Pearsonあたりのオリジナルをほうふつとさせるチャーミングな曲。メロディだけで「勝ち」ですね。各人のびのびとアドリブしています。やや無骨なスタイルのDavid Schnitterに魅力を感じます。しかし、エンディングがあんまりですね。
5曲目(The Song Is You)は「歌こそは君」で知られるスタンダード。大変なアップテンポで演奏されますね。程よいアレンジがいい感じです。この曲はBobby Watsonの独壇場。素晴らしい実力が堪能できます。すげえ。Blakey御大もあおられてどかどかと張り切ります。
6曲目(Dark Side,Light Side)は渋い曲調のブルース。徐々に盛り上っていきます。James Williamsが華のあるアドリブを繰り広げます。David Schnitterがなかなか盛り上ります。続くValery Ponomarevもあくの強いアドリブでなかなかいいですね。Bobby Watsonは循環呼吸を駆使した圧倒的なアドリブ。参りました。
7曲目(1977 A.D.)は3管のアレンジがいい感じ。ちょっとWayne Shorterのメッセンジャーズ時代の曲の影響が感じられます。これはJames Williamsが一番。
8曲目(Blues For Two)は恐らく手軽に作ったであろう親しみやすいブルース。よき伝統を感じますね。リラックスしています。
「冬の時代」なんて言われるころの演奏ですが、じっくりと実力を貯えていたからこそ80年代の復活がありえたのでしょう。貴重な演奏だと思います。
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