BLUESNIK

Mating Call/Tadd Dameron and John Coltrane


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Prestige 7070

  • Mating Call
  • Gnid
  • Soultrane
  • On A Misty Night
  • Romas
  • Super Jet
November 30 ,1956

John Coltrane(ts),Tadd Dameron(p),John Simmons(b),Philly Joe Jones(ds)

 ビバップ時代の名作曲家であるタッド・ダメロンが、当時売り出し中のコルトレーンを従えて吹き込んだアルバム。目立たない盤ですが、大好きなアルバムです。

 1曲目(Mating Call)はコルトレーンのテーマが映える演奏です。トツトツとしたダメロンのアドリブが印象的です。

 2曲目(Gnid)は素敵なイントロで始まるチャーミングなメロディの曲。無骨に歌うコルトレーンが素晴らしいですね。続くアドリブはダメロンから。茫洋とした、記号のようなアドリブです。コルトレーンのアドリブはこの時期独特のぎくしゃくとした歌心を聴かせてくれます。

 続く3曲目(Soultrane)はアルバム中白眉の名曲・名演奏。高倉健のような、口下手な優しい男の告白を聞くかのようです。倍テンで演奏されるアドリブも丁寧で素晴らしいです。惜しむらくは、ピアノの伴奏にもう一つ華がないことでしょうか...。

 4曲目(On A Misty Night)はタイトルどおり煙るような星屑を想像させるメロディです。ダメロンは本当に素晴らしいメロディメーカーですね。続くコルトレーンのソロ。これも素晴らしい。

 5曲目(Romas)はアルバム中最も野心的な曲。ブルースですが、少しアフター・アワーズ的な雰囲気もただよいますね。緊張感がある演奏です。アドリブから登場するコルトレーンも緊張感あふれるいいソロです。

 6曲目(Super Jet)はアルバムラストを急速調で飾ります。ビバップ風の曲ですね。何かのスタンダードが基になっているようですが、よくわかりません。落ちる感じのコード進行が気持ちいいですね。コルトレーンはここでも好調。吹きまくりです。元気の無かったフィリー・ジョー・ジョーンズがここへきてようやく目立ちます。やはりこうでなくちゃ。

 ジャズの黄金時代、名曲に彩られたコルトレーン成長期の演奏の記録です。ハードバップ好きには堪えられないでしょう。



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