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Roots And Herbs / Art Blakey And The Jazz Messengers


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Roots And Herbs

BlueNote 4347

  • Ping Pong
  • Roots And Herbs
  • The Back Sliders
  • United
  • Look At The Birdie
  • Master Mind

February18 1961(1,2,4,5,6)
May 27 1961(3)

Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr(p-2,4),Bobby Timmons(p-1,3,5,6),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)

 Lee MorganとWayne Shorterがフロントだった時代のジャズ・メッセンジャーズのアルバム。すべてWayne Shorterの曲で固められていますので、彼の作曲が好きな向きにはお奨めです。この時期のShorterの曲特有の、あの抽象的でありながら印象深いメロディとコード進行がたっぷりと堪能できます。

 1曲目(Ping Pong)はリズムパターンが印象的な曲。ライブでも演奏されていた曲です。クライマックスはラストのテーマの後。Morgan、Shorterの両者が交代で思い思いのアドリブを演奏します。

 2曲目(Roots And Herbs)はブルース。ジャンプするような、ジャイブ感が珍しいです。「あと一息で完成」の時期のShorterが初々しいです。Morganは余裕しゃくしゃく。

 3曲目(The Back Sliders)はこの時代のShorterの曲に多い、マーチ風の曲調。随分と変形されているものの、ブルース形式を基盤に作られているようです。ファンキーな演奏から一歩引いたShorterのアドリブは、奔放でありながら理知的。Morganもつられたのか、いつもののような爆発的な演奏ではありません。...コード進行がとっつきにくかったのかも(笑)。

 4曲目(United)は印象的なテーマを持つワルツ曲。メロディの雰囲気の割にアドリブ部分の可憐な伴奏が耳に残ります。ピアノがBobby TimmonsではなくてWalter Davisというのが影響しているのでしょう。途中にはドラムソロをフューチュア。「A Night In Tunisia」でも使用されたパーカッションが華を添えます。それにしてもBlakey、3拍子でも4拍子でもラテン曲でのソロの印象が変わらないのが驚きですね。

 5曲目(Look At The Birdie)は上昇するメロディラインが気持ちいい佳曲です。Shorter独特の捉えどころのないハーモニーの中、ここでも先頭でアドリブを執るShorterがいいです。かなり調子が良く、盛り上がっています。続くMorganは気持ちのいいメロディを積み重ねていき、徐々に熱くなっていく様が興奮を誘います。バックのBlakeyものっていますね。アルバム一番の演奏です。

 6曲目(Master Mind)はスィングしながらも難解な印象を受ける曲。相反する要素が両立している演奏ですね。ラストのMorganとShorterの掛け合いが熱いです。二人の共通点、相違点が良くわかります。

 長らく未発表だったようですが、内容は水準以上です。未発表の理由は...「モーニン」のような「ウケる曲」がなかったことだと思います。渋くて味のある、聴き応えのある一枚です。



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