BLUESNIK

The Sheriff / The Modern Jazz Quartet


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Atlantic Jazz 1414

  • The Sheriff
  • In A Crowd
  • Bachianas Brasileiras
  • Mean To Me
  • Natural Affection
  • Donnie's Theme
  • Carnival
1964

Milt Jackson(vib),John Lewis(p),Percy Heath(b),Connie Kay(ds)

 おなじみ、MJQのアルバム。素晴らしいジャケットデザインですね。

 1曲目(The Sheriff)はタイトルから想像できるように、音楽で「逃げる犯人、追う警官」を想像させる曲です。急速調のリズムに乗るMilt Jacksonのおなじみのアドリブ。変わらない魅力がここにあります。ラスト、ゆっくりになりますが、捕まったんでしょうか。

 2曲目(In A Crowd)はjohn Lewisが得意とする、小粒で愛らしいメロディの曲。しかし、よく聴くとかなり激しい転調が効果的に配置されています。アドリブは難しそう。こんなひねくれた曲をどのようにアドリブするんだろう、と思いますが、さすがMilt Jacksonは10年前から愛奏しているかのようになめらかに唄っています。

 3曲目(Bachianas Brasileiras)はアルバム中でもっとも印象的な曲。名盤「たそがれのベニス」に入っていてもおかしくない、しっとりとしてクラシカルなボサ・バラードです。タイトルから察するに、「ブラジル調バッハ風味」といったところでしょうか。てっきりJohn Lewisの曲かと思ったら、違うようですね。キメが多いですが、盛り上げてくれるので飽きさせません。

 4曲目(Mean To Me)はこのアルバム一曲目のスタンダード。リラックスしていますね。緊密な3曲目といいコントラストを描いています。段々と乗ってくるMilt Jacksonがいいですね。LPだとここでA面が終了です。

 5曲目(Natural Affection)もボサノバ。3曲目と比べて、もう少し熱帯的というか、濃密なムードをかもし出しています。何故だろう、と思ったらテーマがピアノで、ヴァイブは休みだったんですね。Milt Jacksonはアドリブで登場。それにしてもJohn Lewisは本当に魅力的な曲を書きますね。アドリブのし甲斐があるというか、いい意味で聴く側を裏切る心地よいコード進行です。

 6曲目(Donnie's Theme)はこのアルバムでは珍しく、ハードバップ風味です。ちょっと印象が薄いですね。可もなく、不可もなく、です。

 7曲目(Carnival)は「黒いオルフェ」として有名な、このアルバム二曲目のスタンダード。「カーニバルの朝」でしたっけ。ボサのリズムに乗って、Milt Jacksonの静かなテーマと情熱的なアドリブの対比が余りにも美しいです。

 トータルで30分程度。あっという間に過ぎますが、カラフルで内容充実のアルバムです。60年代前半はボサノバが流行ったようですが、このアルバムでも瑞々しいリズムを随所で聴くことができます。



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