Prestigeのジャムセッション。他のジャムセッションよりもややアレンジが効いており、聴きやすいアルバムに仕上がっています。McLeanはその中で強烈な存在感を見せてくれます。
1曲目(Blue Duke)はモデラートのブルース。まずはお手合わせといった風情。Raneyは比較的オーソドックスですが、Byrdは華やかに、Burrellは理知的に、Malは内省的に、McLeanは野生的に、それぞれ個性を発揮します。
2曲め(Dead Heat)はBrown-Roach Quintetによる「I'll Remember April」を思わせるイントロ。ソロはいずれも短く、5人がソロをとるわりに4分少々で終わるという、余り印象に残らない演奏です。
3曲目(Pivot)は平凡な、平均的なテーマですが、各人のアドリブはなかなか。平均以上です。
4曲目(Close Your Eyes)でチェンジ・オブ・ペース。LPではここでA面ラストなのですね。Burrellのギターカルテット。しっとりとしています。決して押しが強い訳ではありませんが、いつのまにか心の中に入り込んでくるような演奏です。
5曲目(Littke Melonae)はMcLeanのオリジナル。後半のギターバトルで2人のスタイルの違いがよくわかります。Burrellの方が一枚上手とみますが、どうでしょうか。
6曲目(This Way)は「The Way You Look Tonight」のコード進行を用いたオリジナル。Burrellの淀みのない粋なアドリブ。Byrdはやや手癖が目立ちますがなかなか。McLeanは絶好調。ワイルドなフレイズは他を圧倒します。Raneyはソツないアドリブです。ここでも後半、ギター2人のバトルが聴けます。
7曲目(Out Of Nowhere)はアルバムラストにふさわしいギターカルテット演奏。Raneyによる肩のこらない演奏です。Malのサポートもなかなか。
アルバムにコンセプト等が感じられないのは否めませんが、数多いPrestigeのジャムセッションシリーズの中では比較的高水準の演奏集です。
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