アート・ブレイキーのジャズメッセンジャーズの同窓会セッション。演奏内容に革新的なものはありませんが、意外な顔合わせを楽しむアルバムです。マクリーンがこのような「同窓会アルバム」に出ることは実は珍しいことです。また、メンバーではウェイン・ショーターとの共演が注目です。
1曲目(Two Of Kind)はテレンス・ブランチャードのオリジナル。なかなかカッコいい曲です。ジャボン・ジャクソンはちょっと調子が悪そうで、やや手癖が目立ちます。ブライアン・リンチは手慣れた解釈を聴かせてくれます。好演。フランク・レイシーは奮闘しますが、強引な引用フレーズがちょっと..。テレンス・ブランチャードは安定感ある演奏。ジェフ・キーザーは何とも伝統的なメッセンジャーズらしい演奏。少しボビー・ティモンズの影響が感じられます。
2曲目(Moanin')はボビー・ティモンズの有名曲。変わらない伝統の味、という風情。みなさん手慣れて特にコメントはありません。One By Oneなどのメロディを引用して演奏されるバックリフが印象的です。ここまではこの当時の現役メンバー+αです。
3曲目(Along Came Betty)はベニー・ゴルソンの有名曲で、ここから同窓会。それぞれが少しずつソロを取ります。その中ではハバードは張りのあるアドリブ、マクリーンのアグレッシブなフレイズ、ショーターの不可思議なフレイズが耳につきますね。
4曲目(Lester Left Town)はウェイン・ショーターの名曲。「The Big Beat/Art Blakey And The Jazz Messengers」で演奏されていますが、それよりも遅いテンポです。ショーターのアドリブ、訳わかりませんが迫力があります。フレディ・ハバードが大熱演を聴かせてくれます。
5曲目(Mr.Blakey)はホレス・シルバーが恐らくこのパーティのために作成したオリジナル。単純ですが、ほのぼのとした曲です。ミシェル・ヘンドリックスが歌詞を付けて唄います。
6曲目(Drum Duo)はブレイキーとロイ・ヘインズとのデュオ。ごく短く、7曲目へのイントロです。
7曲目(Blues March)は全員揃ってのフィナーレ。参加メンバー全員がソロを廻します。カーティス・フラーはモコモコして良く分かりません(笑)。ドナルド・ハリソンは丁寧なアドリブ。ショーターはここでも個性全開。彼がこの時期にこんなブルースを演奏するのは珍しいですね。ブライアン・リンチは大先輩を前に恐る恐る、といった感じ。マクリーンはフリーキーなトーンで目立とうとしています(笑)。ハバードは彼特有の親しみやすいリフを付けてアドリブ。さすがの貫禄を見せてくれます。フランク・レイシーはごく簡潔なソロ。テレンス・ブランチャードはかなり調子がいいですね。ゴルソンは
60年代後期のメンバーが多いようですが、演奏している曲は「Moanin'」「Blues March」など60年代初期のナンバーが多いようです。気楽なジャム・セッションだからでしょう。
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