当時のレギュラーグループにラシッド・アリを迎えての一枚。万人向けではありませんが、想像するよりもずっと聴きやすいアルバムです。
1曲目(Soul)は親しみやすいメロディにバーバラ・シモンズの朗読が加わります。朗読に合わせて盛り上る展開は近年でもウィントン・マルサリスが「Mafesty Of The Blues」で試みているところです。
2曲目(Conversion Point)は一部分ではありますが完全なフリーに挑戦した曲。どうしてもメロディアスになってしまうのは否めません。
3曲目(Big Ben's Voice)も完全なフリー。マクリーン、ショウとソロが続きますが、フリー演奏ではショウに一日の長があるようです。ラシッド・アリは休みなくパルスを送り続けます。
4曲目(Dear Nick,Dear John)は「My One And Only Love」のような古いスタンダードの形を借りた挽歌。ソロはベースのみ。
5曲目(Erdu)はメカニカルなテーマが印象的。マクリーンは持てる早吹きの技をすべて繰り出す勢いでソロをとります。
一般にこの時期のマクリーンはフリーに傾斜していたという表現が取られますが、どちらかというと表現の幅を広げるためにありとあらゆる模索を続けていたという方が正しく感じられます。
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