- A Long Drink Of The Blues(take1&2)
- Embraceable You
- I Cover The Waterfront
- These Foolish Things
1:August 30, 1957 2,3,4:February 15, 1957
1:Webster Young(tp),Jackie McLean(as,ts),Curtis Fuller(tb),Gil Coggins(p),Paul Chambers(b),Louis Hayes(ds)
2,3,4:Jackie McLean(as),Mal Waldron(p),Arthur Phipps(b),Art Taylor(ds)
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ブルースとバラードでまとめた一枚。唯一Tenor Saxを吹いている作品として貴重です。
1曲目(A Long Drink Of The Blues)は本当に日常のセッションとでも言うブルース演奏。大したテーマもなく、Gil Cogginsがパラパラと弾き始めてすぐに止まる、これがtake1。正直、何のために挿入したのかよくわかりません。Relaxin'/Miles Davisと同様の効果を狙ったんでしょうか。その割にだらだらしていますが...。 少ししてから開始するTake 2が本題。冒頭はCurtis Fullerのソロ。次がくぐもった音色のテナー...これがMcLeanのテナーです。フレーズがアルトと全く変わらないのが当然とはいえおかしいですね。それにしてもどこからテナーを持ってきたんでしょうか。続くWebster Youngはがんばりますが、まだまだ危なっかしいソロ。後半はなかなか。そしてCurtis Fullerのソロを挟み、再びMcLeanの演奏。今度はいつものAlto Saxです。ダブルタイムを駆使した、安定したアドリブです。
バラードが三曲続きます。2曲目(Embracable You)はCharlie Parkerも演奏したGershwinの名バラード。かすれ気味の音色で淡々と吹く姿が決まっています。Charlie Parkerの向こうを張ったのか、かなり倍テンポで吹きまくるのですが、うるさく聞こえないのは唄っているからでしょう。いいバラードです。
3曲目(I Cover The Waterfront)やや甘いメロディの歌モノ。Embracable Youと同様のアプローチ。決して悪くありませんが、ちょっと淡々としているかな、という気はします。
4曲目(These Foolish Things)はジャズバラードとして定番の作品。悪くないんですが、三曲連続でじっくり聴くと、さすがに飽きてきますね。アレンジが皆無で、ひたすら淡々と進むのも苦しいところです。
狙ってか狙わずか、のん気なブルースと真剣なバラード、という対比になっているアルバムです。バラード三連発は真剣に聴いていると結構疲れるので、グラス片手にBGMとして流すのが正しいのかもしれません。そういう意味で秋の夜長に似合うアルバム、といえるかも。
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