マル・ウォルドロンのリーダーアルバム。全編にわたって3管編成となっています。コルトレーンとマクリーンはこのセッションが唯一の共演です。4・5曲目は「The Dealers/Mal Waldron And John Coltrane」の一部として発売されていたものです。
1曲目(Potpourri)はオープニングを飾るにふさわしい華やかな曲。全員がはつらつとしたアドリブでとても気分いいです。コード進行は何かのスタンダードのようですが、わかりません。
2曲目(J.M.'s Dream Doll)はワルツのバラッド。タイトルはマクリーンの奥さん(Dolly)にちなんでます。かなり難しそうな曲です。コルトレーンがハードボイルドなアドリブを聴かせてくれます。これがハイライトですね。
3曲目(Don't Explain)はかなり凝ったアレンジ。重々しく、粛々と進みます。ハモリもなかなか。
4曲目(Blue Calypso)はマル・ウォルドロンにしては陽気な雰囲気のオリジナル。ブルースです。最初はカリプソぽいですが、途中からは4ビート。各人気楽に楽しんでいます。
5曲目(Falling In Love With You)は軽く合わせたセッション風。ビル・ハードマンがしゃれたアドリブを聴かせます。マクリーンはこの時期としてはなかなかのソロ。こなれています。コルトレーンはシーツ・オブ・サウンドなフレイズを随所に織り交ぜ、もっともインパクトの強いソロです。
6曲目(The Way You Look Tonight)は合奏しにくそうなアレンジが施されています。アルトがサヒブ・シハブに変わり、アンサンブルの一部がスゥイングジャズのように響くのが驚かされます。アドリブはシハブから。マクリーンのようなどぎつい個性はありませんが、流麗なラインが魅力的です。コルトレーンは悪くありませんが、余り調子が出ていないようです。
7曲目(From This Moment On)は急速調の曲。コルトレーンが本領を発揮します。痛快な演奏。サヒブ・シハブも食い下がります。
8曲目(One By One)はジャズ・メッセンジャーズでのウェイン・ショーター作とは同名異曲。なかなか難しそうです。
マクリーンとコルトレーン唯一の共演は、マル・ウォルドロンの世界に二人が合わせた印象です。
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