本邦では無名のピアニスト、ルー・マシューズにゲスト参加した作品。ほとんどピアノトリオで、マクリーンは「Dark Eyes」と「My Funnu Valentine」の2曲に参加しています。
1曲目(Dark Eyes)はタイトル曲。いきなりマクリーンによって「黒い瞳のナタリー」が演奏され、ちょっと不安になります。アルバムタイトルの「ナタリー」というのはこの曲に由来しているのでしょう。そのままDark Eyesのテーマへ。マクリーンは曲の展開に構わず、強引なアドリブです。マクリーンのアドリブはあの手この手で盛り上げようとするのですが、肝心のピアノのバッキングがメロディをなぞるだけの単調さでいただけません。
2曲目(Take The A Train)は思わせぶりなイントロからバラード調のA列車です。ちょっと単調ですね。
3曲目(Roundabout)はマシューズのオリジナル。タイトルはロータリー交差点のことですね。ひねりの効いた曲で、変化が付いていいですね。アルバムの中ではまとまった演奏だと思います。
4曲目(Golden Earrings)は有名なスタンダード。エキゾチックな曲調ですが、アドリブはお洒落すぎるきらいがありますね。
5曲目(My Funny Valentine)で再びマクリーン登場。テーマを演奏します。マクリーンはほとんど止まりそうなテンポの中で、クロマティックなアドリブを繰りひろげます。感想は一曲めと変わりません。
6曲目(A Child Is Born)は静かな演奏。ドラムがほとんど聞こえませんね。ベースが活躍します。
7曲目(Unforgettable)はNat King Coleの唄で有名。この当時ナタリー・コールが唄っていたので取り上げたのでしょう。ミディアムバラードではなく、スィングで演奏されます。ややブツ切れながらも、破綻の無いソロを聴かせます。アルバート・ヒースのドラムに耳が向かいます。
8曲目(Thoughtful)はマシューズのオリジナル。5/4拍子のブルースでひねりを効かせています。
9曲目(Girl Talk)は軽い雰囲気のスタンダード。洒脱なピアノですね。
10曲目(Second Hands Smoke)はベースのスタン・ギルバートのオリジナル。単純なブルースですが、耳に残る軽妙なテーマです。2ビートで変化を出しています。
リリカルというんでしょうか、バップ感が薄いというんでしょうか、ホテルのラウンジのようなピアノです。どういう由来で共演したのかはわかりませんが、マクリーンとの相性は良くないですね。
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