世の中がフュージョン色を示していたころのアルバム。なかなか時代には受け入れられなかったことでしょうが、3管編成で、内容の濃いアルバムです。
1曲目(New York Calling)からハードなテーマ。アップテンポのモード曲です。マクリーンは後先を考えない向こう見ずなアドリブで興奮させます。ピアノのビリー・ガウルトがスリリングなコンピングでサポートします。トランペットのビリー・スキナーはもう一つ。ルネ・マクリーンは安定感のあるモードフレイズが気持ちいいです。
2曲目(Star Dancer)は中近東風のモードを使ったミディアムテンポの曲。アンサンブルはマクリーンのピッチがきついですが、まぁ良しとしましょう。アドリブもややエキゾチックで、フラジオでメロディを奏でるなどこれまでとは違った一面を見せてくれます。ルネはソプラノを使用。こちらは中近東というよりはインド風ですね。
3曲目(Camel Driver)は複雑で、かつどこかユーモアのあるテーマ。「ラクダ乗り」というタイトルは言い得て妙です。なかなか解釈が難しそうな曲ですが、マクリーンはかなり安定感のあるアドリブでいいです。
4曲目(Some Other Time)はハードボイルドな曲。かなりいいです。ピアノは果てしなくオクターブでアドリブするのがいいですね。ドラム・ベースもいいです。途中に何度も入るリフがカッコいいです。
5曲目(Adrians Dance)はミディアムファーストのモード曲。個々のアドリブよりも、グループとしての一体感に耳がいきます。マクリーンもバックとの相乗効果でいつも以上に素晴らしいです。
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