BLUESNIK

Jackie's Pal


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Prestige 7068
  • Sweet Doll
  • Just For Marty
  • Dee's Dilemma
  • Sublues
  • Steeplechase
  • It Could Happen To You
August 31, 1956

Bill Hardman(tp),Jackie McLean(as),Mal Waldron(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)


 目立たないアルバムでしょう。Bill Hardmanをフューチュアしていますが、McLeanのキャリアとしてはPhilly Joe Jonesとの初共演が注目のアルバムです。ちなみにMilesのマラソンセッションと同時期の演奏です。

 1曲目(Sweet Doll)は奥さんの名前を付けたMcLeanのオリジナル。McLeanのアドリブはややせわしない感があります。Paul Chambersのアルコが素晴らしい。

 2曲目(Just For Marty)はTadd Dameronの「Tadd's Delight」と同じようなコード進行、メロディの曲。よく似ています。McLeanは淀みない落ち着いたアドリブで余裕を感じます。この時点で随分成長していますね。続くHardmanは熱演というところでしょうか。それにしてもPhilly Joeのドラムは素晴らしい。気持ち良くアドリブが出来そうですね。Milesが愛したのもわかる気がします。

 3曲目(Dee's Dilemma)はMal Waldronのオリジナル。キャッチーでは無いが特徴的なコード進行を持つ曲です。McLeanは曲をはずさずこなした、というところでしょうか。残念ながら盛りあがりどころがなく、あまり魅力的なテイクではありません。Malのアドリブも同様。

 4曲目(Sublues)はタイトル通りのブルース。ミディアムテンポですが、ビバップ風のテーマメロディから判断してテンポ設定に失敗しているような。先発のHardmanはトツトツとしたアドリブですね。McLeanのアドリブは堂々としたもの。途中でPhilly Joeがテンポをダブルタイムで演奏するのですが、ここで俄然勢いがつき、救われます。Malは中音域で途切れ途切れに音を埋めているだけのつまらない演奏です。こういうのはアドリブとは言えませんね。McLeanとPaul Chambers、Philly Joeで辛うじて聴けるものにした、と感じますが、かなり荒れた演奏です。

 5曲目(Steeplechase)はCharlie Parkerのオリジナル。循環です。テーマ部分、サビで明らかに打ち合わせを間違えてドラムソロに入っていますが、構わず演奏していますね。McLeanのアドリブは手馴れたものです。Hardmanもここでは合格点。不安なMalも、ここではいい感じ。あと、Paul Chambersがアルコで驚くようなフレーズを弾いています。これには注目ですね。リハーサルの無いPrestigeでは、全員が手馴れているこういう曲が良かったんでしょう。本アルバム一番の良テイク。

 6曲目(It Could Happen To You)はBurkeのスタンダード。ミディアムテンポで演奏されることが多いですが、ここではスローテンポです。McLeanの出番は無しで残念。

 テイクによって好不調の波が激しくて、お奨めできるか、というと論評しづらいアルバムですね。全編にドラッグの影を感じてしまうのは考えすぎでしょうか。


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