BLUESNIK

McLean's Scene


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Prestige/NewJazz8212
  • Gone With The Wind
  • Our Love Is Here To Stay
  • Mean To Me
  • McLean's Scene
  • Old Folks
  • Outburst

1,3,4:December 14, 1956 2,5,6:February 15,1957

1,3,4:Bill Hardman(tp),Jackie McLean(as),Red Garland(p),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)
2,5,6:Jackie McLean(as),Mal Waldron(p),Arthur Phipps(b),Art Taylor(ds)

 ジャケットのMcLeanの顔がとても怖いですが、中身は極めてありふれたアルバム。二つのセッションが混ざっており、1,3,4曲目がRed Garland・Paul Chambersコンビとのセッション、2,5,6曲目がMal Waldron・Arthur Phippisコンビとのセッションとなっています。
 ディスコグラフィー上の注目としては、Red Garlandとの唯一の共演ですね。

 1曲目(Gone With The Wind)は「風と共に去りぬ」の邦題で知られるスタンダード。軽快なRed Garlandのイントロが、早くもこのテイクの成功を知らせてくれるようです。期待に違わない極めて快調な滑り出し。McLeanも良ソロです。この二人の共演がこのアルバムだけとは残念ですね。

 続く2曲目(Our Love Is Here To Stay)はGershwinのスタンダード。Mal WaldronのピアノはRed Garlandに比べると随分落ちます。途中にブレイクが入るアレンジなのですが、McLeanはあまり効果的に使えていないですね。残念ながら淡々とこなした、という印象。

 3曲目(Mean To Me)もよく知られたスタンダード。ピアノがRed Garlandに戻って、セッション全体の空気も明るくなりますが、ここでのMcLeanは少し苦しそう。手馴れた節回しもややぎこちないですね。続くGarlandがなかなか良いだけに残念。Paul Chambersのベースライン、ソロが目立っていますね。これで助かりました。

 4曲目(McLean's Scene)はMcLeanのオリジナル。といいつつテーマの無いブルースです。練習テイクでしょうか。冒頭から延々とアドリブするRed Garlandが良い感じ。続いてMcLeanとBill Hardmanの4バースですが、ここではBill Hardmanの調子が良いですね。豊富なアイディアで楽しませてくれます。Hardmanは引き続き通常のソロに移りますが、最後まで調子を保っています。McLeanは気持ちの赴くまま、というアドリブ。McLean節を惜しげも無く連発しています。強引なエンディングでは、録音季節を感じさせるアドリブをHardmanが吹いています。

 5曲目(Old Folks)は品の良いスタンダード。McLeanのストレートなテーマ演奏は少々味わいという面では物足りないですね。何といいますか、ソロは倍テンポで何のひねりもなく進行します。アドリブそのものは破綻も無いが、ハプニングも無い、というレベル。冒頭に洒落たイントロくらい欲しかったところですが、Mal Waldronでは難しかったでしょうか。

 6曲目(Outburst)はCole PorterのOur Love is Here to Stayを素材にしたセッション。とにかく速い!McLeanは手癖だらけですが、ともかく吹ききります。最後の最後で驚かされますね。

 全く異なる二つのセッションが混合されたのはアルバム単位としては残念。何ともメリハリの無いアルバMうになってしまいました。せめてA面B面でセッションを分けるとか、スタンダードとオリジナルの曲順バランスを変えれば良かったのに、と残念でなりません。


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