BLUESNIK

音の表し方と音程


ドレミソドレミソ・・・・ <<音の表し方の話>>

 小学校で習った音の表現方法は「ドレミ」でした。でもこれからの話に、「ドレミ」という表現はあまり出てこないと思います。ではどうやって音を表すかといいますと、CDEFなどのアルファベットで説明させていただきます。
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C
D
E
F
G
A
B
C

 CDEFGABCは白い鍵盤に相当します。黒い鍵盤の表現方法は後ほど。
 で、なぜCDE...で表現するかといいますと、「ドレミ」は、音を相対的にあらわすもので、キーになる原点の音によって変わるからです。キーがCのとき、CDE=ドレミですが、キーがFになると、FGA=ドレミになります。つまり「ド=C」ではなく、「ド」とは「キーのはじめの音」、「レ=D」ではなく、「レ」は「キーの全音上の音」ということなんです。「移動ド」といいます。
 面倒くさいですね。なぜなんでしょう。「ちょうちょ」や「しゃぼんだま」のようにキーが一定の単純な音楽ならそれでOKでしょう。音程は「ドレミ」で十分表現できます。しかーし、ジャズはコルトレーンの存在を出すまでもなく、転調が多くてキーが頻繁に変わる音楽です。このような場合は、この表現は不便です。音をあらわす方法はキーに依存しない、直接音程を表現する方が便利ということになります。
 という訳で、ここでも一般の音楽の書籍と同様に絶対音程(=CDEFGABCによる)で表現します。
 そんなのよく解んないよ、やっぱドレミがいいっす、とおっしゃるあなた。例えば、John Coltraneのアドリブ。アルファベットで表現すると「EbFGBb AbBbCEb FGAC」というところ、ドレミでは「ドレミソ ドレミソ ドレミソ」になっちゃうんですよ(笑)。これでは後世のミュージシャンが研究しにくいでしょう?
 でもそうは言ってもやっぱり何らかの目安は必要ですよね。目安として、キーがCの場合、「ドレミファソラシド」=「CDEFGABC」になります。
 あくまでも「ドレミ」は相対的に音程を表現する方法、と覚えておいてください。
 ただし、これは他人と音程について会話する際の約束事です。自分だけで考える分には、ドレミで考えても一向に構わないのは当然です。CDE...=ドレミ...と覚えこむやり方ですね。これは「固定ド」。確かに便利。私も演奏中の頭の中はそうなっています(笑)。いくつかのジャズのフレーズも、全部固定ドで覚えています。でも、他人と話するときはアルファベットで話をしますよ。

山本山 <<音程の話>>

 音の間隔を「音程」といいます。音程の厳密な定義は私の手にあまる話で、とても難しい話になります。周波数の話になってしまいます。私、物理学で100点満点で5点を取ったことがあるのでこの手の話は勘弁してください(笑)。
 とりあえず、周波数と倍音によって「CDEFGABC」が定義付けられている、との認識でOKです。
 音程の単位は「度」。音が一つずつ上がるごとに、1度ずつ音程は上がります。Cを例にとりますと、CとDは2度、CとEは3度、CとFは4度・・・という具合に音程を定義しています。音程が白鍵だけならそれでOKなんですが、現実には黒鍵が存在します。これらは半音です。このため、日本語では全音を「長」、半音を「短」で表します。CとDは長2度、CとEは長3度、というわけです。CとEbは短3度になります。
 さて、ここでいきなり例外です。FとGは「完全」を付けます。CとFは完全4度、CとGは完全5度の音程、です。「完全」の半音上下は「増」「減」で表現され、CとF#(=Gb)は増4度(減5度)と呼ばれます。...よくわからんぞ、なぜだ?
 ...まぁ、そういうもんだ、ということで、勘弁してください(笑)。
 ただ、↓をご覧いただくとわかりますが、結果として見事に上下対象になっています。「山本山」ですね。

Cを原点とした音程
C#=Db短2度
長2度
D#=Eb短3度
長3度(=減4度)
完全4度
F#=Gb増4度=減5度
完全5度
G#=Ab増5度(=短6度)
長6度
A#=Bb短7度
長7度

 ここで当然の疑問が出ますね。短3度と長3度の間の音程はどうなっているんでしょう?
 もちろん存在しますが、一般によく聴く音楽では使用されませんし、ジャズ理論にものらないのでここでは割愛。興味ある方は非西洋音楽を聴きましょう。
 ちなみにこうした短3度と長3度の間のような微妙な音程を聞くと、現代人は「音がずれている」と感じます。ジャズでこのずれを効果的に使った例は「My Funny Valentine/Miles Davis」での同タイトル曲。ライブで原曲のピッチをゆがめての演奏は、同曲の決定的名演奏です。

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