• Sentimental Journey
• Why Was I Born ?
• Contour
• Confirmation
• When I Fall In Love
• Abstruction

Donald Byrd(tp),Jackie McLean(as),Hank Mobley(ts),Mal Waldron(p),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)

　Prestige初期のアルバムにして名作として名高いアルバムです。タイトル通り、Quartet、Quintet、Sextetによる演奏集です。

　１曲目（Sentimental Journey）はMcLean初期の名演として名高いテイク。管楽器で演奏されるよりも唱われることの方が多いこの曲ですが、本演奏はこの曲の管楽器演奏の決定版として知られています。
　McLeanの演奏はそうした歴史的評価に違わない素晴らしいもの。「決め」のフレーズがびしびしと飛び出し、この曲に新しい光を当てています。

　２曲目（Why Was I Born ?）はHammerstein - Kernのコンビによるスタンダード。普段はバラードで演奏されると思いますが、アップテンポ。McLeanはビバップの技法で見事です。緊張感の中にもはつらつとした勢いが感じられます。Malは少し繰り返しが多くて退屈ですね。そういうスタイルとも言えますが...。

　３曲目（Contour）はKenny Drewによるオリジナル。かなり複雑なコード展開の曲のようですが、McLeanは自分の曲のようにスムーズにソロをとります。続いて登場するDonald Byrdはもう一つ。この後急激に腕を上げるのですが、この時点ではもう少しですね。
　Kenny DrewとMcLeanは若い頃からの友人だったそうです。

　４曲目（Confirmation）はご存知、Charlite Parkerの有名なオリジナル。フロントはMcLean、Byrd、mMobleyですが、いずれもこの曲の代表的なソロとして知られています。これはもう完全なセッションですね。理屈抜きに楽しみたい演奏です。

　５曲目（When I Fall In Love）もバラードとして知られるスタンダードをアップテンポで演奏したもの。McLeanのワンホーンカルテットによる演奏です。後半ちょっとネタ切れっぽいとこともありますが、まずまずといえるでしょう。Malは相変わらず盛りあがり所の無い演奏です。

　６曲目（Abstruction）はMal Waldronのオリジナルバラード。「甘くなく、ほろ苦い」McLeanのバラードの特徴がよくわかる演奏だと思います。前半はほとんどせつせつとテーマを演奏するだけなんですが、大変な説得力を持っています。ソロは冒頭少し危ういですが、後半はなかなかこなれてきてしっかりとした演奏です。

　Prestigeと契約した最初期のレコーディングです。最初からこのクオリティですから、最初からとてもポテンシャルが高く、凡百のジャズマンではなかったんだ、ということがよくわかります。
　ディスコグラフィーによると、前半は「Jammin'With Gene/Gene Ammons」と同じ日の録音のようです。