このホームページを始めなければまず買わなかったであろう(笑)一枚。ジャケット、カッコ悪いです。マクリーンは金融業者の成り上がり社長みたい。
予断を排して冷静に音楽のみを聴いてみると、マクリーンのスタンダード集として楽しめます。ただし、リズムセクションは当時のマルのトリオであることから、アルバム全体のムードはマルが支配しています。「Left Alone/Mal Waldron」でもマクリーンは一曲のみのゲストでしたから、当然でしょう。
1曲目(Left Alone)は60年の演奏とは比べてはいけないでしょう。ただ、マルがピアノであるために「Hat Trick」よりもオリジナルに近い印象を受けます。マクリーンのバラードにおけるアドリブスタイルは随分変化していることが解ります。
2曲め(God Bless The Child)はビリー・ホリディの愛唱歌。テーマのみの短い演奏です。
3曲目(All Of Me)、マクリーンはレコードでは初演ではないでしょうか。ビバップライクなメロディに時折クロマティックなフレーズを重ねていきます。セッション風に4バースまで聴かせてくれます。
4曲目(Cat Walk)は「Left Alone/Mal Waldron」に収められた一枚。テーマ部分のマクリーン、ピッチかなり怪しいです。(^^;;) マルの粘っこいアドリブが曲調に合っており、なかなか聴かせます。
5曲目(Lover Man)は短いテーマのみの演奏。なかなかいいです。
6曲目(Minor Pulsation)は急速調。かなりアバンギャルドなアドリブが繰り広げられます。マルのバッキングはかなりフリー。難しい曲ですが、マクリーンはだれることなくグリグリとフレーズを吹き込んでいきます。熱演です。
7曲目(Good Morning Heartache)はスタンダード。私、これで今回初めて聴きました。(^^;;)Darn That Dreamに似てますね。これはマクリーンとマルのデュオになっています。
8曲目(All Alone)はマルのソロ。おどろおどろしい...。黒い情念(^^;)なんて言われますが、解るような気がしますね。
9曲目(Super Okra Blues)はマクリーンの自作ブルース。16ビート?です。ピアノがマル・ウォルドロンでこれをやろうというのは随分無茶な気がしますが、それなりの出来です。ちょっと微苦笑しちゃいますけど。
見たことがありませんが、LDも出ているようです。
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