大西順子さんとの共演です。日本制作というわけで、旧作をたっぷり演奏して、スタンダードも加えて、いかにも日本人向け、って感じです。
1曲め(Little Melonae)は「The New
Tradition」から。この曲は通常サビはアドリブで演奏されますが、リフのようなメロディがついています。あんまり好みじゃないですね...。 90年代初頭に東京青山のBlueNoteに来日した時もこのアレンジで演奏していました。
6曲め(Left Alone)はいわずと知れた「Left
Alone/Mal
Waldron」から。佳演かと思いますが、それだけです。あの名演奏は「ビリー・ホリディ追悼」という背景を踏まえて誕生したものですので、それと同じ感動を味わおうというのは無茶な話だと思います。
7曲め(Jackie's Hat)は大西順子さんのオリジナル。「Sweet
Georgia
Brown」のコード進行のようです。「Dig」を意識したのでしょうか。軽くこなしました、って感じ。
8曲め(Sentimental Journey)は「4,5and6」から。ちょっと凝ったアレンジがいいです。キーも変えています。
9曲め(Bluesnik)は「Bluesnik」からの再演です。ペダルノートを使ったアレンジがカッコいい。マクリーンはのびのびと吹いています。ときおりご愛敬で昔のフレーズがでちゃったりしますが、基本的に現代的なブルース解釈が楽しめます。
旧作の再演が多くセッション的な感じは否めないものの、演奏そのものに手を抜いているようなことはなく、むしろ全般に演奏の質は高いと感じます。現在のマクリーンがかつての自作曲をどのように捉えているのかがよくわかります。
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