BLUESNIK

Live! At The Cafe Bohemia / George Wallington


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Prestige
  • Johnny One Note
  • Sweet Blanche
  • Minor March
  • Snakes
  • Jay Mac's Crib
  • Bohemia After Dark
September 9, 1955

Donald Byrd(tp),Jackie McLean(as),George Wallington(p),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)


 George Wallingtonグループとしてのライブ盤。この時期ライブ盤は少ないので貴重です。リーダーのWallingtonはともかく、フロント2人が魅力的ですね。McLeanは自作曲を2曲演奏しています。

 1曲目(Johnny One Note)は飛び出すMcLeanがそのままソロをとります。この時期の手癖満載ではありますが、勢いを感じるソロですね。後半ややネタ切れ。続くByrdはやや線は細いもののこの早いテンポの中で崩れず、きっちりとしたソロをとります。ピアノのWallingtonは正直いって今一つ。
 フロント二人が短いフレーズを掛け合いするのですが、当時これを「Peck」として売出そうとしたとか。想像どおり、全く流行らなかったようです。

 2曲目(Sweet Blanche)はミディアムテンポによる循環。のどかな印象さえ感じます。Byrdのソロ、McLeanのソロともに悪くないのですが、ピアノのバッキングが無くて孤軍奮闘、悪く言うと淡々とした印象を持ちますね。いくらでも盛り上がれたと思えるだけにこれは残念。光るのはPaul Chambersのソロ。落ち着いて、よく唄っています。

 3曲目(Minor March)はMcLeanの代表的なオリジナル。ソロもMcLeanからで、後年のNew Soilでの名演奏に通じる良好なソロを繰り広げてくれます。ここではByrdの演奏が素晴らしいですね。

 4曲目(Snakes)は超の付くアップテンポ。スタンダードGet Happyに似ていますね。McLean、Byrdのソロともに悪くないのですが、テンポ設定が同じなので一曲目Johnny One Noteと似た展開ではあります。

 5曲目(Jay Mac's Crib)は聴いてすぐにわかるようにSoftly As In A Morning Sunriseの変形。若干違いますね。McLeanは特徴ある下降するコード進行を上手く処理しています。ダブルタイムが効いていますね。Byrdは無理はしないがソツの無いアドリブ。Wallingtonはこのテンポでようやくソロらしくなってきますが、アイディアがブツ切れなのが残念。

 6曲目(Bohemia After Dark)はライブハウスCafe Bohemiaに捧げられ、Cannonball Adderleyの名演奏で有名になった曲です。作曲はOscar Pettiford。一般的なアップテンポではなく、ミディアムテンポです。現曲はこうだったのかもしれません。ここでも1曲目Johnny One Noteと同様に「Peck」をしていますが、あまり効果的とは言えないようです。McLeanのソロはややアイディア不足。本アルバムでは全般にMcLeanは不調です。Byrdの方がずっと良いですね。

 腕利きの黒人サイドマン4人を従えて、一番下手なのが白人リーダーという変わったバンドのライブアルバム。George Wallingtonの名前は「Birth of the Cool / Miles Davis」の'Godchild'の作曲者として永遠に世に残るでしょうが、プレイヤーとしては正直いって疑問が残ります。
 余談になりますが、Paul Chambersのデビュー作でもあったはずです。本ライブの直後にMiles Davis Quintetに入団するはずです。


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