BLUESNIK

Cornbread / Lee Morgan


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Blue Note 4222
  • Cornbread
  • Our Man Higgins
  • Ceora
  • Ill Wind
  • Most Like Lee
September 18,1965

Lee Morgan(tp),Jackie McLean(as),Hank Mobley(ts),Herbie Hancock(p),Larry Ridley(b),Billy Higgins(ds)


 Lee Morgan後期の代表作です。ハードバップの全盛期を終えて混沌とした時期ですが、ここではそうした時代の波をしばし忘れて、純粋に音楽を楽しむ娯楽作となっています。しかし終わってみれば時代を感じるアルバムに仕上がっている、と言えるのではないでしょうか。ご覧のとおりメンバーも非常に魅力的。

 タイトル曲の1曲目(Cornbread)はBlue NoteのLee Morganのアルバム一曲目に共通するファンキー8ビート。The Sidewinderから続くこの路線ですが、その中でもこの曲はなかなかイカすセンスを持った良曲です。各人のソロは、やはりLee Morganが手馴れています。Mobleyはちょっと野暮ったいですね。McLeanはブルーノートを基調としたアドリブ。標準でしょうか。Herbie Hancockは、サポート・ソロともに素晴らしい。Watermelon Man以来こういう曲は得意なんですよね。

 2曲目(Our Man Higgins)はタイトル通りBilly Higginsをフューチュアしたブルース。ドラムソロの効いたテーマがカッコいい。ソロはMcLeanからですが、ここでも標準。この日は調子が良くなかったのでしょうか。Morganは何かが吹っ切れたように、思いきりよく吹ききっています。

 3曲目(Ceora)はジャズ・ボッサの隠れ名曲と言って過言ではないでしょう、素晴らしいオリジナルです。イントロのHerbie Hancockからしてまず素晴らしい。これだけでうっとりとしてしまいます。続くメインテーマ。Lee Morganの優しい一面を表したメロディと言えるでしょう。続くソロは、Lee MorganとHerbie Hancockに注目。いずれも、しっとりと濡れて輝く布のような、きらめくソロです。
 残念ながらこの曲をマクリーンは吹いていません。

 4曲目(Ill Wind)は本アルバム唯一のスタンダード。控えめなアレンジが曲の良さを際立たせています。ソロはHerbie Hancockから。素晴らしい。優雅さとジャズ臭さを同時に備えたソロは彼だけの技ですね。続くLee Morganはダブルタイムを多用したソロですが、嫌味にならない品の良いソロ。

 5曲目(Most Like Lee)は少し「Recardo Bossa Nova」に似た雰囲気を漂わせたオリジナル。特徴あるコード進行を丁寧にアドリブするMorganが鮮烈。続くMcLeanは切なくもファンキーなフレーズを連発。好きに吹いてそれが良い結果に出ています。このタイトルは'Most Likely'とのシャレでしょうか。

 後期Lee Morganの代表作。メンバー良し、曲良し、の充実した一枚。正直言ってMcLeanの存在感は薄いものの、アルバムとしての出来は文句無しです。Herbie HancockはBlue Noteレーベルのサイドマンで良い仕事をたくさん残していますが、ここでもそれは変わりません。特にMorgan、Hancockが好きで未聴の方はぜひ!


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