この時期にマクリーンとコンビを組んでいたグラシャン・モンカー三世のリーダー作。リー・モーガン以外はこの当時のマクリーンバンドのメンバーです。リー・モーガンとトニー・ウィリアムスの共演は大変珍しいです。
1曲目(Air Raid)はアップテンポのモード曲。ハッチャーソンとトニーのあおりはとても刺激的です。マクリーンもはりきって、本アルバムで一番のソロを聴かせてくれます。モーガンもいいムードです。
2曲目(Evolution)はモンカーらしい暗い曲。「One Step Beyond」の「Ghost Town」に似ています。マクリーンのソロは難しい曲調の中で緊張感があり、とてもいいです。モーガンはカデンツァ風です。こちらはマクリーンの緊張感とは違い、やや余裕を感じさせるものです。しかしアンサンブルなどにロングトーンが多く、ちょっとだれます。
3曲目(The Coaster)はうって変わって陽気で気軽な曲調。モードのようです。ソロの合間に入るリフがおちゃらけているようでかわいらしいですね。マクリーンはやや単調で、バックのトニー・ウィリアムスに耳がいってしまいます。モーガンはこなれたアドリブを聴かせてくれます。
4曲目(Monk In Wonderland)はタイトル通りモンクを意識した曲。マクリーンはかなり大胆なフレイズで曲に挑んでいます。
野心的なアルバムという印象を受けます。ただ、いくら名手ぞろいとはいえ、ピアノによるハーモニー提示が無い中で、モード曲がずっと続くのは聴いていてつらいものがあるのも事実です。
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