この時期でのマクリーンバンドの姿をそのまま切り取ったようなアルバムです。1曲目の「Mr.E」は1999年のライブでも演奏しており、愛奏曲になっています。
1曲目(Mr.E)はいわゆる「半モード」の曲。「E」とはエリック・マクファーソンでしょうか。手慣らしという感じですね。マクリーンはかなりうにうにとしたフレイズです。ルネはまあまあですが、トランペットはいまいちですね。
2曲目(Beautiful Majestic One)は何だかふざけたようなテーマです。4管編成によるオーケストラヒットのような音が効果的ですね。ベースソロあり、ピアノソロありのダイナミックで凝った編曲です。
3曲目(Optimism)は軽快なテーマ。マクリーンのソロは前半のベストです。ルネは断片的でゴツゴツとした、耳に残るフレイズです。ピアノがかなりいいですね。
4曲目(I Found You)はそのまま歌詞が付きそうな美しいテーマのバラード。マクリーンもこの時期には珍しくクロマチックなフレイズは使わず、丁寧なメロディで唄いあげます。
4曲目(The Griot)は珍しいくらいのもろ4ビートが一部で楽しめる曲。ちょっとトリッキーですね。アドリブはまずまず。
5曲目(Excursions)は軽快な8ビートです。みなさん好調ですが、特に印象に残るというものではありません。
6曲目(Cryptography)はカッコいい曲。皆がせかされるようにアドリブをします。勢いに乗ってますね。トロンボーンはマンテカ風のフレイズを吹きます。テナーのルネは親父のフレイズをテナーに置き換えたようなフレイズです。お互いに影響し合っているのでしょう。
7曲目(Entrapment)はタイトル通り仕掛けたっぷりの複雑な曲。よく演奏できるものです。途中4ビートに移るところがなかなかいいです。
8曲目(Rites Of Passage)は「Rites Of Passage」のタイトル曲。前回よりもややテンポアップ。かなり混沌とした印象を受けます。
「Jackie McLean Septet」というバンド名通りの「バンドサウンド」が楽しめるアルバムです。
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