マクリーンはプレスティッジのジャムセッションをいくつか残していますが、これはそのうちの初期の一枚。他のセッション同様、肩に力の入らない一枚です。コンガでキャンディドが入っているのが目新しいですね。プレスティッジにデューク・ジョーダンというのも珍しい。「Cool Struttin'」で共演するアート・ファーマーとはこれが初共演。
タイトルが矛盾しているような1曲目(The Happy Blues)はミディアムのブルース。いかにも適当なテーマに、いかにも適当なバックリフ。まんまジャムセッションです。でもこれが意外に悪くありません。
2曲目(The Great Lie)は当時の流行歌なんでしょうか。どうということのないコード進行の歌物。前半が「But Not For Me」と同じですね。
3曲目(Can't We Be Friends)はアモンズがリードを取る歌もの。いつもどおりねちっこく歌い上げます。結構長いアドリブは、ちょっとあくが強いかな。続くファーマーはミュートで丹精なアドリブです。ソツがないですね。それに比べると3番手のマクリーンは強烈な印象を残します。やはり相当の個性の持ち主であることを再認識させられます。エンディングが何とも唐突。
4曲目(Madhouse)はマクリーンの曲。現曲は「What Is This Things Called Love」です。フロント3人のチェイスはなかなか聴き応えあり。発展途上のファーマー、豪快なアモンズ、味のマクリーンでしょうか。贔屓目なしに、ここではマクリーンに惹かれます。続くアドリブでも爽快。
全体に他のジャム・セッションアルバムと違う雰囲気を受けます。キャンディドによるコンガ参加と、マル・ウォルドロンの不在が大きいのでしょう。
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