デクスター・ゴードンとの共演盤。「The Source」と対になっています。現地に落ち着いていたケニー・ドリューとゴードンのオリジナルが認められることから、マクリーンはゲスト的扱いなのでしょうか。
マクリーンのアナウンスに続いて始まる1曲目(All Clean)はゴードンのリフ・ブルース。先発はゴードン。延々と続くアドリブの洪水。幸せな気分になります。そしてマクリーン。やや危なげなフレーズですね。冒険している感じです。ケニー・ドリューは飛び跳ねるようなスィングしたアドリブ。これだけでも十分おすすめです。
2曲目(Rue De La Harpe)は珍しい、サヒブ・シハブのオリジナル。結構複雑なビバップ的コード進行のようです。ドラムがおとなしいのが残念。先発のマクリーンはあまりこなれていないアドリブです。おそらく知らなかったのでしょう。コードを追うようなアドリブです。後半はややましになりますが、やはりつらいかな。続くゴードンは豪快にコード進行の中を泳いでいきます。これはゴードンの勝ちですね。
3曲目(Callin')はチャーミングなテーマを持つケニー・ドリューのオリジナル。マクリーンのアドリブスタイルは周りのミュージシャンに合わせた、50年代のスタイル。続くゴードンはさすが。音色一発で惚れ惚れします。しかし、本当に朗々とアドリブしますね、この人は。
4曲目(Sunset)もケニー・ドリューの曲。前曲とは一転してタイトルどおりの煙った雰囲気のオリジナルバラード。ここでも先発はマクリーン。プレスティッジ時代のように、無骨な、ビバップの語法でのアドリブを繰り広げます。
5曲目(On The Trail)はクラシックの「大峡谷」から。肩のこらない、ゆったりとしたアドリブが味わえます。こちらはマクリーンがやや有利でしょうか。最後にきて盛り返しましたね。
この時期のマクリーンの魅力は何でしょう。私は「唄う」ということに尽きると思います。しばらく歌っていなかったマクリーンが必死に、先輩のゴードンを前に搾り出すように歌う。ひたすら突っ走ったブルーノート時代とは違う魅力です。
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