ジャズ・メッセンジャーズ名義のアルバム。このメンバーでのアルバムでは、印象が薄い部類に入ります。
1曲目(Casino)はアルバム冒頭にふさわしい引き付けるメロディを持つ一番の好ナンバー。マクリーン〜ハードマンともに熱演です。演奏時間が短いのが残念。
2曲め(The Biddie Griddies)はSonny ClarkのBlue Minorをおかしくしたようなメロディの曲。アドリブ先発のマクリーンは奮闘しますが、もう一つの印象です。続くハードマンも淡々と演奏しますが、こちらは持ち味をいかしています。ピアノのサム・ドッケリーは押しが弱く、印象に残らないのが残念です。
3曲目(Potpourri)は「Mal2/Mal Waldron」でも演奏された曲。魅力的なメロディです。あちらではコルトレーン入りだった分含まれていた「毒」のようなものが、本作のバージョンでは薄まっているような印象です。マクリーンのアドリブはなかなか。このアルバムで一番の演奏です。
4曲目(Ugh!)はブレイキーのドラムから始まる猛烈な速さの曲。おかしなテーマです。ブレイキーのハイハットが追いつかない位です。コード進行は何かのスタンダードのようですね。
5曲目(Mirage)はマル・ウォルドロンのオリジナル。ミディアムのバラードでなかなかの佳曲。「Jackie McLean And Co.」でも演奏されています。ここではマクリーンが主役です。アドリブこそ少ないですが、強烈な存在感です。
6曲目(Reflections Of Buhainia)はタイトルからブレイキーのドラムソロかな、という印象を受けますが、いたって普通の曲。さして印象には残りません。テーマのメロディは調子っぱずれのようで面白いです。
残念ながらメッセンジャーズのアルバムという統一感はなく、全体に淡白なイメージはぬぐえませんが、一つのセッションとして楽しめる内容となっています。1〜3曲に相当する「A面」がベストです。
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