プレスティッジのジャムセッション。アート・テイラーがリーダーというわけではなさそうです。おのおのが好きな曲を演奏した、というところでしょう。バード〜マクリーン〜ラウズという三管編成のセッションとコルトレーンのワンホーンのセッションが収められています。
1曲目(Batland)はブルース。特にアレンジはありません。先発はチャーリー・ラウズ。安定感のあるモコモコしたテナーです。マクリーンはこの時期のオーソドックスなソロ。バードは若い、というソロですね。それにしてもこのウェンデル・マーシャルとアート・テイラーという組み合わせは粘っこくて重いリズムです。
2曲目(C.T.A.)のみコルトレーンのワンホーン。のどかで牧歌的だった1曲目と違い、緊張感抜群です。格の違いを見せ付けます。音色、フレイズの切れともに圧倒的です。
3曲目(Exhibit A)はRitualでも演奏された曲。マクリーンは安定したアドリブ。ラウズの独特の乗りが耳に付きます。
4曲目(Cubano Chant)はキューバ風?のユニークなテーマで有名な曲。アドリブは普通の4ビートです。これも3人が順番にソロをとりますが、いずれも平均点程度です。ラウズがまあまあですね。
5曲目(Off Minor)はモンクナンバー。ラウズの選曲でしょうか。ソロも彼から。さすがに手慣れたアドリブです。巧者だということがよくわかりますね。マクリーンは普段演奏しなれない部類の曲のため、比較的新鮮なアドリブです。
6曲目(Well,You Needn't)もモンクナンバー。バードはやや戸惑い気味ですが、何とかこなします。後半はなかなか。ラウズはやはり堂々としたもの。後ろでモンクが踊っているのが見えるかのようです。マクリーンが演奏し難そう。そこが面白かったりします。
ノンリーダーで気楽に作ったアルバムですが、この時期のコルトレーンのワンホーンの圧倒的なパワーが見えてきます。
|