プレスティッジのジャムセッション。マクリーンの参加は1曲目・3曲目のみ。当時新人だったドラムのアート・テイラーに対してマイルスが優しく、クスリでハイになっていたマクリーンがひがんでスタジオを出ていったために中途半端な参加となった、というエピソードが残されています。
1曲目(Dr.Jackle)はFブルース。のちにマイルスによってテーマが若干変更され、「Milestones」において「Dr.Jekyll」として再演される曲です。マクリーン自身の演奏は本作が唯一。 ミルト・ジャクソンの演奏は安定しています。この部分だけ聴くと、ドラムがおとなしいこともありMJQのようです。 マイルスは空間を大きく取り、ゆったりと唄うアドリブ。後のクインテット初期のスタイルに近いアプローチとなっています。 マクリーンは音色はまぎれもなくマクリーンですが、フレイズにはまだチャーリー・パーカーの影響を感じさせます。
2曲目(Bitty Ditty)はサド・ジョーンズの佳曲。どこかで聴いたことがあると思えば、やや複雑なテーマですが、巧みに処理していく様はなかなか聴いていて快感です。ミルト・ジャクソンがここでも光ってます。
3曲目(Minor March)は「New Soil」で「Minor Apprehension」として再演される曲。「Dr.Jackle/Jaclie McLean」でも再演されています。マクリーンは後の「New Soil」の快演の片鱗をのぞかせますが、まだまだ。ミルト・ジャクソンは安定感あるアドリブ。マイルスは考えられたフレイズで飽きません。よく聴くとたくさんとちってますね。
4曲目(Changes)はレイ・ブライアントの代表曲の一つ。リラックスしたブルースです。魅力的なブライアントのイントロに乗ってミルトとが、次いでマイルスがそれぞれリラックスしきったアドリブを披露します。レイ・ブライアントは普段よりもややしっとりとしたアドリブです。それにしてもこの曲、テーマがありませんね。
マイルスはこのアルバムでデビュー間もないマクリーンの曲を二曲も採りあげています。作曲の才を買っていたのでしょう。これら以外にもマイルスは「Little Melonae」を録音しています。マイルスとマクリーンの共演はこれ以降、マイルスの晩年までありません。
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