McLeanがJazz Messengersを退団後に録音のみ参加した作品。かつて「Theory Of Art」というタイトルでも発売されていました。ソロ巧者が揃っている好アルバムです。このBlakeyのこのタイトルとしてはLee Morgan、Wayne Shorterが参加したBluenoteの同名アルバムが有名ですが、本作品も劣らぬできです。
1曲目(Night In Tunisia)はパーカッションを加えたカラフルなアレンジ。後年のBluenote盤の原型がこれだ、とわかります。Blakeyのソロも後年のBluenote盤とほとんど同じなのはご愛嬌です。McLeanのソロは彼には珍しくリズムとメカニカルな動きで責めるソロです。この曲、苦手だったのかもしれません。
2曲目(Off The Wall)は古きよきハードバップの香りを漂わせる佳作。泥臭いGriffinのソロもいいですね。
3曲目(Theory Of Art)は急速調のハードボイルドな曲。Aireginに似た前半がカッコいい。マクリーンも得意のフレーズを連発させます。安定しています。後に続くHardman、Griffinも乗っています。Blakeyの煽りも、お約束をきっちり守ってくれて嬉しい。
4曲目(Couldn't It Be You ?)は「Jackie's Bag」収録の「Fidel」と異名同曲。先発のGriffinはなかなか凝った、練られたソロで聴かせます。McLeanのソロもじっくりと中身の濃いソロです。
5曲目(Evans)は「Dig / Miles Davis」で「Out Of The Blue」として収録されている曲。McLeanはDig収録の6年前よりもずっと充実した内容で軽やかにソロを組み立てていき、成長した姿を見せてくれます。
アルバム単位として派手な華はないですが、McLeanに目を向けてみると、この時期にはスタイルはほぼ固まり、Bluenote移籍後の快進撃を予感させる内容になっています。この時期のメッセンジャーズはあまり語られることがありませんが、McLeanを語る上では欠かせないキャリアだということがこのアルバムを聴くとよくわかりますね。
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