The Jackie McLean Quintet
 Blue Note 4116 |
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June 14, 1962 Kenny Dorham(tp),Jackie McLean(as),Sonny Clark(p),Butch Warren(b),Billy Higgins(ds) |
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かつて「幻の4116番」と呼ばれていたらしいアルバム。リアルタイムでは未発表だったのですが、ＣＤ化が進み、現在では普通に入手できます。録音順としては「Let Freedom Ring」の後に位置しますが、メンバー編成もあいまってやや後退した印象も受けます。純粋にアルバムとしては極めて充実した良質のハードバップアルバムと言えるでしょう。 １曲目（The Three Minors）は３つのマイナースケールでアドリブをとり、どんどん落下していくような不思議な感覚を見せています。アドリブ内容は、正にMcLean風のモードジャズの王道ですね。とてもカッコいい曲です。キャッチーなメロディは、アルバム一曲めとしてはＯＫでしょう。 ２曲目（Blues In A Jiff）はタイトル通りのブルース。McLeanは驚くほどオーソドックスな内容です。普通のハードバップとしてもおとなしいアドリブなので、そういう意味ではちょっと物足りないですね。続くKenny Dorhamも同様。こうした中で良いのがSonny Clark。こうしたミディアムブルースでは期待を裏切らない良い仕事をしてくれますね。 ３曲目（Blues For Jackie）もタイトル通りのブルース。タイトルに違わず、ソロはMcLeanから。ここでのMcLeanも、モード的手法を一切用いることなく、不思議なくらいコードでのアドリブに徹しています。逆に貴重ではありますね。続くDorhamはリズムを生かしたアドリブ。アップテンポで、全般に二曲目よりもいい感じです。作曲者不明となっていますが、曲の雰囲気からしてMcLean作曲でしょう。少なくともSonny Clarkはこんな雰囲気の曲は作りませんね。 ４曲目（Marilyn's Dilemma）は何とBilly Higginsの作曲。ドラマーらしくテーマ途中にドラムソロが入るのがご愛嬌ですが、なかなかどうして知的なメロディとコード進行を持つ曲です。McLeanも乗って、ダブルタイムのフレーズを連発しています。良いです。Dorhamはちょっと乗りきれない印象を受けますね。 ５曲目（Iddy Bitty）は終止感の無いコード進行が魅力的なリフ曲。McLeanはやたらとブルースフレーズを連発。わざとかどうか今となってはわかりませんが、面白いですね。Dorhamもつられて似たようなアドリブになっています。 ６曲目（The Way I Feel）も作曲者不明となっています。少なくともMcLeanでは無さそう。Clarkでもないですね。Dorhamでしょうか。ソロはDorhamから。入り組んだ構成の曲ですが、Dorhamは器用にこなしていきます。McLeanはぐいぐいと曲の真中を突き進むイメージですね。McLean節の強烈さで惹きつけてしまいます。ただ、聴いていると、本当は思っているメロディが別にあるのに、押さえていのでは、という印象を受けます。あえてオーソドックスに吹いているのでは、と思ってしまいます。曲そのものは良曲にして佳作。 この時期McLeanはInta Somethin'、Matadorなど、Kenny Dorhamと組んで何枚かのアルバムを残しています。それらのアルバムは良くも悪くもKenny Dorhamの良質だけれどもオーソドックスな個性に彩られています。本アルバムもそうしたアルバムの一つと言えるでしょう。McLeanが気合を入れたときのような、尖がった危うい印象が無いんですよね。実際、Kenny Dorhamのアルバムだ、と言われても納得するくらい、McLeanのカラーは薄くなっています。 |
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